成田悦子2022年2月22日2 分The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳事実上僕が遠ざけるものを、まるで愛したかのようなこうした表現を綴ろうとする己を発見するのは妙だ。時に僕は、僕そのものの思いを認めない。「暗闇」のような表現について、或いは、祈る者について、僕が何を知ろう?只一人の祈り手でさえ誰が持とう?それが全てであり、死によって、夫人の衣...
成田悦子2022年2月21日1 分The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳BOOK TWO 1 不幸の感覚は幸福のそれより頗(すこぶ)る伝え易い。窮乏にあると、僕たちは僕たち自身の実在に気付くようだ。喩え不条理な自己中心癖の形態を成していようとも、この僕の痛みは、個別的である。一瞬怯(ひる)むこの神経は、他にではなく僕に属す。しかし幸福は、僕たち...
成田悦子2022年2月20日2 分The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳僕は共有地の彼女の脇に、彼女の家を見た。ヘンリの明かりは、彼の書斎のドアの下を照らし、僕たちは二階へ向かった。居間で僕たちは、身動きできないように、互いの体に寄りかかり、僕たちの手を取り合った。「彼が上がって来そうだ。」僕は言った。「今にも。」...
成田悦子2022年2月19日2 分The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳その半分は消えた―変わらず利用されるホテルは、粉々に爆破され、その夜、僕たちが愛情を育んだ所は、継ぎ接ぎだらけだった。それがブリストルだった。そこにはホールに鉢植えのシダがあり、僕たちは青い髪の女支配人によって最高の部屋を見せられた。本物の大きな金箔を貼ったダブルベッドゥや...