彼女はサラーより若く、彼女は19を超えている筈もなく、その上美しく、寧ろ損なわれていないと誰かが言っても構わなかったが、それは只、駄目になるようなものが極端に少なかったからだ。僕は犬か猫の類を求める以上に、彼女を全く欲しくはないと気付いた。彼女は僕に、ほんの二、三軒下ると最上階に素敵なフラットゥを彼女が持っていると話した。彼女は支払わなければならない何を借りて、彼女の年齢は何歳で、何処で生まれ、カフェで一年働いた、と僕に話したが、僕は紳士だと直ぐに見抜いてしまった。彼女は、自分にそれをくれた紳士の名前を付けたジョウンズと呼ぶカネアリを飼っていると言った。彼女は、ロンドンでの襤褸菊(のぼろぎく)を得ることの難しさについて話し始めた。僕は思った、もしサラーが今も僕の部屋にいれば、僕は教会の鐘を鳴らせる。例えば僕が庭を持っていれば、僕は彼女のカネアリを時々思い出すかどうか、その少女がぼくに尋ねているのを聞いた。彼女は言った。「貴方は尋ねている私のことを気にしないでしょ?」
僕のフイスキの向こうの彼女を見ながら、僕は思った、何て奇妙な、彼女に全く欲望を感じない。僕が大人になって入り混じった全ての年月の果てに、全く突然といった風にそうなった。サラーに向かうこの激情は、単なる肉欲を永遠に封じた。二度と再び愛情のない女を弄ぶことは出来はしない。
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