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The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

  • 執筆者の写真: 成田悦子
    成田悦子
  • 2022年2月28日
  • 読了時間: 2分

その瞬間だけが、重要だった。永遠は、時の延長であってはならない、と言われているが、時に僕には、彼女の自暴自棄は、あの不思議な数学的無限の点、広がりを伴わない、空間を占有していない一点に触れるように思われた。時には何が重要だったか―彼女が一時(いっとき)から一時迄(そこには再びその言葉が登場する)その過去全て、その違った男達全てを知ってしまっても構わない、或いは彼女が真実の同じ意識で同じ陳述をしようとするかも知れない未来全て?そのように、僕も又、彼女を愛していると答えた時、彼女ではなく、僕が嘘吐きになった。僕は時間の自覚を失くしたことは一度もなかったから。僕には現在はここにはない。それは、何時も去年か、来週かである。

 「他には誰もいない。何れ又。」と彼女が言った時。彼女は嘘を吐こうともしなかった。そこに数学的点は存在しない、それが全てだが、という時間における矛盾がある。彼女には、僕が持つ以上の溢れる程の愛の能力があった。僕は時間の周りのそのカートゥンを下げることが出来ず、僕は忘れられず、僕は恐れることが出来なかった。愛のその瞬時にあってさえ、僕は罪の証拠を集めようとする警官に似ていた。やがて七年以上後に、僕はパーキスの手紙を開けた時、その証拠が僕の辛辣に添えるために、僕の記憶の中のそこに全てあった。

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