僕はヘンリと寸分違わず寝てはいなかったが、僕は次の極めて酷いことをした。僕が夕食にサラーを誘い出した最初の夜、僕は文官の妻の脳を突(つつ)いて、穴を開けんばかりの冷血な意志を持った。彼女は僕が何を狙っているか知らず、彼女は考え、僕は確信し、僕は彼女の家族の暮らし振りに心底興味を持ち、おそらくそれが、彼女の僕への好意を、最初に呼び覚ました。「ヘンリは何時に朝食をとるの?」僕は彼女に聞いた。彼は役所へ地下鉄、バス、それともタクシで行ったの?彼は夜、家に彼の仕事を持ち帰ったの?彼はそれに王室の紋章の付いた書類鞄を持っていた?僕たちの友情は、僕の関心に基づいて開花し、彼女はたいそう喜んだので、誰もがヘンリを真面目に扱うべきである。ヘンリはしかし、象が重要であるように、どちらかと言えば重要で、彼の局の大きさ故に、重要である。救いようもなく、不真面目を貶(けな)されっぱなしという重要のとんでもない類がある。ヘンリは年金省ー後に内務省になった、内の重要な事務官補だった。
8
Comments