Ⅲ
午後を前にして、ヘンリは、迷っていた。彼は、来て欲しいと僕に頼む為に電話をして来た。サラーが去ると共に、僕たちが如何に近付いたか、それは、妙だった。彼は、前にサラーに頼っていたように、今、僕をかなり頼る―僕は、およそ幾らか家に精通している者ではあった。葬式が終わった時、彼が家を共有するよう僕に頼みたいのか、どんな答えを僕は彼に与えたいのか分からない振りもした。サラーを忘れるという見地から、二つの家の間で選ぶ事、そこには何一つなく、彼女はどちらにも属して来た。
僕が着いた時、彼は彼の薬で未だぼんやりしていて、或いは、僕は、彼にもっと面倒を掛けるのかも知れなかった。一人の牧師が、書斎の肘掛け椅子の縁にこわばって座っていた。僕がサラーを最後に見た暗い教会で、日曜日に地獄から出て来て仕える、多分レデムプトリストゥの一人、気難しい瘦せこけた顔を持つ男。彼は明らかに鼻っからヘンリに反感を持たせ、それは、役に立った。
「こちらは、ベンドゥリクス氏、作家の、」ヘンリが言った。「クロムプトン神父。ベンドゥリクス氏は、僕の妻の大切な友人です。」クロムプトン神父は、それを既に知っているという印象を僕は持った。彼の鼻は、控え壁のように、彼の顔を走って下り、僕は思う、おそらくこれが、サラーの上の希望のドアを、バタンと閉めたその男だ。
「申し分のない午後ですね、」クロムプトン神父は、ベルやカンドゥルが、遠く離れていないと感じた、そんな悪‐意を持って言った。
「ベンドゥリクス氏は、準備全てに大いに対処して僕を助けてくれました、」とヘンリは説明した。
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