top of page
検索

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

  • 執筆者の写真: 成田悦子
    成田悦子
  • 2022年7月13日
  • 読了時間: 2分

ヘンリは、それから何を成そうとするのか、つまり僕たちの誰も気にも留めないリカーの小瓶や、海水で磨かれたグラスの欠片、そして僕がノッチンガムで見付けた小さな木の兎。僕は、僕共々、これらの物を皆、持ち去った方がいいのか?そうでもしなければ、ヘンリが片付ける為に、そこいら中、手を付ける時、それらは、紙―屑籠の中に入ってしまうだろうが、僕は、それらの同行に耐えられるだろうか?

 僕は、それらを見ていたら、ブランキトゥを背負って、ヘンリが入って来た。「僕は、言い忘れた、ベンドゥリクス、もしそこに貴方が持って行きたい物があれば・・・彼女は遺書を残した、と僕は思わない。」

 「それは貴方らしい。」

 「僕は今、彼女を愛した誰も彼も、感謝している。」

 「良ければ、僕はこの石を持って行きたい。」

 「彼女は変な物を持っていた。僕は、貴方に僕のパジャーマ一揃いを持って来た、ベンドゥリクス。」

 ヘンリが枕を持って来るのを忘れたので、クションに僕の頭を預けながら、彼女の香りを嗅ぐことが出来たら、と僕は空想した。僕が二度と持つ筈のない物を、僕は望んだ―そこには代わりの物はなかった。僕は眠れなかった。僕は僕の爪を僕の掌に押し付けた、彼女が彼女のものでそうしたように、だから、その痛みが、僕の脳が作動するのを妨げるといいと、僕の願望の振り子は、嫌になる程、向かっては逆戻りして振れた、忘却への願望、記憶への願望、死ぬことへの、そして生き続けることへの、差し当たって。そしてその後、やっと僕は眠った。

207

 
 
 

最新記事

すべて表示
Good-bye to All That Robert Graves 成田悦子訳

XⅢ ここに僕が当時書いた手紙からの抜粋がある。僕は場所の名前を復元した、僕達はそれに触れることを禁じられた:ー  5月21日、1915。ラ・ブアスと呼ばれた石炭‐採掘村の兵士宿舎に戻る。それは前線から3マイル以上はないが、坑夫は今なお働いている。僕達が塹壕から遠のくにつれ...

 
 
 
Good-bye to All That Robert Graves 成田悦子訳

Ⅻ 1916に、負傷後ハーレックで休暇中、フランスでの僕の最初の数ヶ月の清算を始めた。愚かにも小説のようにそれを書きはしたが、僕は今それを歴史書に書き換えなければならない。ここに構成し直した章がある。  フランス到着時、我々6名の王室ウェルシュ・フュージリア士官はル・アーヴ...

 
 
 
Good-bye to All That Robert Graves 成田悦子訳

しかし3、4人を除いては、誰も大隊司令官によって直接推奨された者はいないだけでなく、隊或いは師団の隊員への攻撃をする間に自ら名を上げた、さもなければ誰もが新陸軍大隊か他の連隊に送られ、僕達は依然として 叙勲されなかった。僕はたった3つの例外だけ思い起こせはする。表彰の通常の...

 
 
 

Comments

Rated 0 out of 5 stars.
No ratings yet

Add a rating
bottom of page