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The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

執筆者の写真: 成田悦子成田悦子

BOOK FIVE



僕はヘンリとその夜いた。そういうことは、初めてだった。僕は、ヘンリの家で眠った。彼らは、一部屋ゲストゥ‐ルームを持ち、サラーは、そこに(彼女の咳でヘンリに迷惑を掛けないように、彼女は、一週間前にそこに移った)いた。それで僕は、僕が愛を育んで出来た客⊶間のソウファアで眠った。僕は、その夜、いたくはなかったが、彼は、僕に請うた。

 僕たちは、僕たちの隔たりに、一本半ものフイスキを飲まなければならなかった。僕は、ヘンリが言っていたのを覚えている、「そりゃあ、不思議だ、ベンドゥリクス、人は、死んでしまうと、どれ程も妬んではいられない。彼女が、只、二時間前に死んでるだけなのに、僕は僕の側に貴方を必要とした。」

 「貴方は、嫉妬だと大げさなことを言う程のこともない。そんなことは、随分前に何もかも終わった。」

 「僕は、今、どんな気休めも要らない、ベンドゥリクス。それは、貴方もどちらも終わらない。僕は幸運な男だった。僕は、ずうっとあの年月、彼女を自分のものにした。貴方は、僕を憎みますか?」


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