物語の結末を知った今、僕は何年でも待つことが出来た。僕は、寒くて、濡れてはいても実に幸せだった。そこにちらついている供物台や塑像に向かって、慈愛の眼差しで見ることさえ出来た。彼女は、僕たちを二人共愛している、と僕は思ったが、そこに、想像と一人の男の間の不一致があるべくしてあるにしても、誰が勝とうとしているか、僕には分かる。彼女の腿に僕の手を、或いは、彼女の胸に僕の口を置けたらいい。彼は、供物台の後ろに閉じ込められ、彼の弁明を訴えようにも、身動き出来なかった。
突然、彼女は咳き込み始め、彼女の手で彼女の方に押さえた。彼女は、苦しんでいると納得し、、そして僕は、苦しむ彼女を一人のままにして置くことが出来なかった。僕は近付き、彼女の側に座って彼女が咳をしている間、彼女の膝に僕の手を置いた。僕は思った。単に誰かが触れるだけで、それは治せることもあった。発作は治まった時、彼女が言った。「どうか、貴方は、私を放って置いてくれない?」
「僕は、貴女を放って置けない。」と僕は言った。
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