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The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

執筆者の写真: 成田悦子成田悦子

その時私は、Loveと記入したかったが、その言葉は、それは本当だと分かっていても、不適当な響きがあった。私は私の使い古した方法でヘンリを愛した。

 私は封筒に手紙を入れ、非常に個人的とそれに記した。誰かの面前でそれを開かないようヘンリに警告するだろう、と私は思った―彼が友人を家に連れて来ても、私は彼の自尊心を傷付けたくなかったから。私がスートゥケイスを引っ張り出して詰め始めるやいなや、私は不意に思った。私は、手紙をどこに置いたかしら?私はそれをすぐに見付けたものの、その時私は考えた。私はホールにそれを置くのを忘れていて、ヘンリは待つ、家に帰ろうとして私を待つ、と私の慌て振りを思う。そこで私は、ホールにそれを置く為に階下に下りた、私の荷造りは殆ど終わった―片付けるのは、イヴニングドゥレスだけ、それにヘンリは、後三十分は帰って来ない。

 私が、まさにホール・テイブルの午後の郵便物の一番上にそれを置いたその時。私はドアに入るキーの音を聞いた。私はもう一度それをさっと取り上げた。私は訳が分からない、するとその時、ヘンリが入って来た。彼は具合が悪く、疲れ切っているようだった。彼は、「オウ、お前は何でこんな所にいるの?」といっれ、私の横をさっと擦り抜け、彼の書斎に入った。私は一瞬たじろぎながらも、直ぐに従った。私は、今彼に私の手で手紙を渡そうと思い付いた。その内もっと思い切りが必要になって来る。私がドアを開くと、暖炉の側の彼の椅子に座っている彼を私は見た。彼は明かりも付けず、それに泣いていた。

 「一体どうしたのヘンリ?」私は彼に尋ねた。彼は言った。「何も、僕は酷い頭痛がして、それだけ。」

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