top of page
検索

The End of the Affair/Graham Greene 成田悦子訳

執筆者の写真: 成田悦子成田悦子

 「それは、ガラハドだよ。ランスロトゥは、グイネヴェレとベドゥの中で見付けられた。」何故僕たちは、無知をからかいたがる悪癖を隠し持つのか?つまり妬(ねた)みなのか?パーキスさんは、悲し気に言った。彼を裏切ったかのように、彼の若い者を横目で見ながら、「僕は 聞いたことがなくて。」



翌日―彼の養父に意地悪をしたくなって―僕たちがシダー・ロウドゥに出かける前に、僕は、ハイ・ストゥリートゥで若者にアイスを御馳走した。ヘンリ・マイルズはカクテイル・パーティを開いている―そうパ―キスさんは、報告して来たので、リスクは避けられた。彼の衣服を真っ直ぐにグイっと引っ張ってから、彼は若者を僕に預けた。若者は、顧客と一緒の彼の初舞台のお目見えという光栄に則(のっと)った彼の一張羅でめかし込んでいた。それなのに僕は、僕の最もみすぼらしいのを身に着けていた。苺アイスが少々、彼のスプーンから零(こぼ)れ、彼のスーツにしみを作った。僕は、最後の一滴が飲み干されるまで、黙って座っていた。間を入れず僕は言った。「もう一杯?」彼は頷(うなず)いた。「又、苺?」

 彼は言った。「ヴァニラを。」かなり経ってから付け加えた。「どうか。」

 彼は二杯目のアイスを随分ゆっくりと、指紋を除去するかのように、念入りにスプーンを舐めながら食べた。

110



 
 
 

最新記事

すべて表示

Good-bye to All That Robert Graves 成田悦子訳

XⅢ ここに僕が当時書いた手紙からの抜粋がある。僕は場所の名前を復元した、僕達はそれに触れることを禁じられた:ー  5月21日、1915。ラ・ブアスと呼ばれた石炭‐採掘村の兵士宿舎に戻る。それは前線から3マイル以上はないが、坑夫は今なお働いている。僕達が塹壕から遠のくにつれ...

Good-bye to All That Robert Graves 成田悦子訳

Ⅻ 1916に、負傷後ハーレックで休暇中、フランスでの僕の最初の数ヶ月の清算を始めた。愚かにも小説のようにそれを書きはしたが、僕は今それを歴史書に書き換えなければならない。ここに構成し直した章がある。  フランス到着時、我々6名の王室ウェルシュ・フュージリア士官はル・アーヴ...

Good-bye to All That Robert Graves 成田悦子訳

しかし3、4人を除いては、誰も大隊司令官によって直接推奨された者はいないだけでなく、隊或いは師団の隊員への攻撃をする間に自ら名を上げた、さもなければ誰もが新陸軍大隊か他の連隊に送られ、僕達は依然として 叙勲されなかった。僕はたった3つの例外だけ思い起こせはする。表彰の通常の...

Comments

Rated 0 out of 5 stars.
No ratings yet

Add a rating
bottom of page