「それは、全て人間の本質で、サー、人間の愛情ですよね。それに広くも、高級でもないその部屋。パ―キス婦人は、あの頃存命中でしたが、私は、彼女に詳細を話すのは、気乗りしなかったんです。彼女は、事によったら邪魔になりました。」
「僕は必ず記念品を大事にしますよ。」
「もしも灰‐皿が話せたら、サー。」
「本当に、そうだね。」
何れにせよ感銘深い思いを持ったパーキスでさえ、すっかり言葉尽きた。その手の最期の圧迫、少々べとべとした(おそらくそれは、ランスの手に触れて来たから)、そして彼は行ってしまった。彼は、誰かが又会いたくなる、そういう人の一人ではなかった。やっと僕は、サラーの日記を開いた。僕は、全てが終わった1944六月のその日を探そう、と先ず思った。そして僕はその理由を見付けた後で、そこには、他の日付がたくさんあるから、僕は僕の日記とそれらを見比べながら、正確にそこから学べたらいい、どのように、彼女の愛は尽きたのか。
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